イエズス会聖三木図書館スタッフ
特集テーマを受けて、改めて図書館の蔵書の中からなにがおすすめか考えてみました。図書館利用者が本をお探しの場合には、いくつかの質問をしながら最適の本を一緒に探していくのですが、今回は「だれでも興味を持って読むことができるような、おすすめのキリスト教書」と広いテーマですので、タイプやテーマの異なる本をいくつか選んでご紹介したいと思います。
キリスト教に関する素朴な疑問への解説から、キリスト教のさまざまな教派、教会にまつわるあれこれなどが、豊富なイラストや図解とともに説明されている。目次の見出しも質問形式が多いため、自分が気になる箇所を読むことができるし、もちろん索引もあるので読み物としても事典としても使える。附録の表などを含め、充実した内容ながら驚きの文庫本サイズ(厚さ2cm)。
「『キリスト教に関心はあるが専門書を読むところまではまだ…』という読者を意識して」書かれた本のため、内容はキリスト教についての基本的なことがらに絞られている。キリスト教とはどのような宗教か、聖書、イエス・キリスト、歴史、日本のキリスト教、諸宗教等とのかかわり、儀式や文化、シンボルなど全般を網羅し、1つの質問につき見開きで簡潔に説明されている。索引や用語集、年表もあり、1冊でまとまった内容となっている。
キリスト教放送局日本FEBCの番組「神父さま、こんなこと聞いてもいいですか?」がもとになっている。リスナーからのキリスト教に関する質問や悩みに、著者がパーソナリティと対話しながらさまざまな視点を提示し、寄り添いながら回答してくれる。実際に番組に寄せられた質問や悩みのため、具体的で現実的な質問が多く、自分が抱える疑問や悩みの答えも見つかるかもしれない。
キリスト教の聖典である聖書(旧約・新約)、キリスト教に関する代表的な著作の「読み方を学ぶ」ことを意識して、豊富な聖書等の引用を解説し、読み解きのヒントを教えてくれる。キリスト教に関する代表的な著作ではアウグスティヌスの『告白』、教皇フランシスコや現代のキリスト教思想家たちの著作を扱う。興味を持ったら巻末のブックガイドで次に読む本を探すこともできる。
旧約聖書の歴史物語を43個、新約聖書におけるイエスの出来事とイエスにつき従った弟子たちの物語を35個の項目に分け、その概略と特徴やポイントを解説。1項目につき見開きでまとまっており、全ページに美しいイラストが挿入され、理解を助けてくれる。
月刊誌『百万人の福音』で連載されていた漫画の単行本化。おっちょこちょいで食いしん坊なビーグル犬がマスターを務めるお店「喫茶ホーリー」には、さまざまな悩みを抱えた登場人物(すべて動物)たちがやってくる。悩む動物たちにマスターは聖書の言葉を引用して寄り添い、おいしい料理をふるまってくれる。見開きで1つのお話になっているので、気楽に読めるが、意外と深くて、愛らしい動物たちに癒される。
「〇〇な人へ」(例:自信を取り戻したい人へ)という見出しで1枚のキリスト教絵画を紹介しながら、その絵とキリスト教やイエスについて説明していく。絵の人物に吹き出しがついていたり、イエスをアンパンマンに例えたりとさまざまな方法を用いて、絵の解説だけでなく、生きるヒントを提示してくれる。
建物としての「教会」の魅力に注目し、教会とはなんのためにあるのか、教会(建物)の歴史、教会(聖堂)の内部、教会でのマナーや実際の教会などを紹介。ほかにキリスト教の歴史や聖書などについてもまとめて説明している。実際に教会に行ってみたいけれど不安がある人や、行ったことはあるけれどよくわからなかった人にも「教会ってどんなところ?」というのが具体的にわかる。
1997年に出版され、英語版絵本『You Are Special』は1600万部超え、全世界31言語に翻訳されて読み継がれるロングセラー。へまをするたびに仲間の人形たちから馬鹿にされ、すっかり自信をなくす木の人形パンチネロに、すべての人形の造り主であるエリが語りかける。すべての人に贈る、心を癒すメッセージがつまっている『たいせつなきみ』はカラフルな絵も可愛らしい。『ストーリーブック』は上記の1作目を含む絵本シリーズ全6巻のストーリーを、モノクロの挿絵とともに読み物として味わえる。
今回ご紹介した本は出版年が古いものもあり、書店では手に取ることができないものも含まれています。その場合ネットや古本屋で古本を探すか、または図書館で探してみてください、と言いたいところですが、キリスト教書は公立図書館では所蔵がないものも多いです。上記の本やほかの本も読んでみたいなと思われた方は、どうぞ当館をご利用ください。イエズス会聖三木図書館は4万冊を超えるキリスト教書を所蔵する、会員制キリスト教専門図書館です。見学も受け付けておりますので、ホームページをご覧の上、お気軽にご来館ください。
【イエズス会聖三木図書館ホームページ】http://www.jesuits.or.jp/~j_seimikibun/index.html