キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性


映画というと、脚光を浴びるのは、出演者と監督ですが、映画制作にはさまざまな人が携わっています。脚本ができあがると、その脚本のイメージを具現化するために俳優陣を選ぶ最初の仕事は、キャスティングです。映画を作るときに一番大切な仕事は、キャスティングではないかと以前から考えていたのですが、キャスティングする人々に脚光を浴びることはほとんどありません。そのキャスティングについてさまざまな著名な俳優陣、監督などの声を集めて作られたドキュメンタリー映画がまもなく公開されます。

キャスティングの先駆者といわれるマリオン・ドハティは、大学時代に芝居へ興味を持ちますが、演技者になるのは難しいと、大手商業施設に勤め始めますが、友人からテレビの配役アシスタントに誘われ、勤めます。6か月もすると、頭角を現し、仕事を任されるまでになります。

それまでのキャスティングというのは、候補者のA欄から1人、B欄から1人というように役と俳優のマッチングというより、機械的に選ぶという形だったようです。また、俳優のイメージをタイプ分けし、その固定されたイメージで候補が選ばれていたといいます。

ところがマリオン・ドハティは、役に対して俳優の演技や印象から選んでいったといいます。彼女のキャスティングはユニークですが、芝居を経験したことのある人ならなるほどとうなずけることがたくさんあります。

この作品は、マリオン・ドハティだけでなく、同時代に活躍したキャスティング・ディレクターの声も取り上げています。また、マリ オン・ドハティが育てたキャスティングディレクターの声も。

そしてどれだけ彼女が優れたキャスティング・ディレクターかということも多くの監督や俳優陣の声からもわかります。

また、この作品は、アメリカの映画界の変遷も描かれています。

映画に興味があり、キャスティングとは何かを知りたい方は、ぜひ映画館に足を運んで観てください。映画好きな人は必見の作品です。

中村恵里香(ライター)

 

4月2日(土)よりシアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開

公式ホームページ http://casting-director.jp/

【Twitter】@castingby_jp

監督:トム・ドナヒュー/製作:トム・ドナヒュー、ケイト・レイシー、イラン・アルボレダ、ジョアナ・コルベア

出演:マリオン・ドハティ、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、メル・ギブソン、ジョン・トラボルタ、グレン・クローズ

2012年/アメリカ/89分/カラー/DCP/原題「Casting By」

配給:テレビマンユニオン 配給協力・宣伝:プレイタイム

©︎Casting By 2012 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

5 × four =