アポロ11号の映画が公開されるという。
なんでも、あの月面着陸から50年目なのだそうです。
ぼくが高校3年生で、夏休みがはじまったばかりのとき、1969年7月21日(アメリカでは20日)のことでした。
家のテレビで実況中継を家族のみんなで観ていました。白黒の画面で、宇宙飛行士のアームストロング船長が月面へ第一歩を踏んだ瞬間を、固唾を呑んで見つめていました。
アームストロング船長の「1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な躍進だ」という言葉が有名になりました。
「人間が月の上を歩いた」という興奮を、また映画で体験することができたのはありがたいと思いました。
映画のパンフレットには「アメリカ公文書記録管理局とNASAで新たに発掘された11,000時間以上もの未公開の秘蔵映像や音声データを基に、前代未聞のドキュメンタリーが誕生した」と書かれています。
またプログラムには「当時の映像素材を特注のスキャナーを使用し、8Kまでの解像度でHDRのスキャニングを可能にしたことで、最高の画素と最良の質を有するアポロ11号の映像が完成した」とあります。
確かに、ロケットの発射から月面着陸、そして地球への生還までの9日間が詳細に捉えられ、4Kマスターによって50年前の映像かと思えるほどの鮮明な映像美が提供されています。
ロケットの発射までの緊張感は、発射までのカウントダウンが数字で示され、宇宙飛行士がロケットに乗り込む様子が映されることで高まります。見物する大勢の人たちを映像は追いかけます。自分も、まるでそのなかの1人になったような気分になってきます。発射のときの轟音がまたすごい。
月面着陸のときの感動は、なんとも言えません。そして、無事に地球に生還できたときの喜びも共有できます。
宇宙に浮かぶ地球の美しさも瞼に残ります。
「はやぶさ2」が小惑星に着陸したいまだから、月面着陸のあのときを、老いも若きも一緒に共有されたらいかがでしょうか。
この映画は、理屈ぬきに、楽しんでいただきたいと思う1作です。
(鵜飼清、評論家)
7月19日(金)、109シネマズ二子玉川ほか全国ロードショー
公式HP:http://apollo11-movie.jp
監督・編集・プロデューサー:トッド・ダグラス・ミラー 出演:ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、ジャネット・アームストロング、マイケル・コリンズ、ジャック・ベニー 他
アメリカ/英語/93分/原題:APOLLO 11/G 配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
COPYRIGHT © 2019 MOON COLLECTORS LLC