神さまの絵の具箱


末森英機(ミュージシャン)

死が近づく。呼吸は出口を求める。そのとき、ひとりひとりの人間は、その胸に、最後の審判の朝を、はたして、見ているのだろうか。それとも、底なしの闇の時間を、さらに、眠り続けて、いるのだろうか。

あのとき、あなたは、美しい恋人のために、極上のギフトをするために、胸にすばやく、十字を切ると、アザラシの子どもを、撃ち殺した。

欲望にただ、苛まれる、全世界で起こることだ。

夕べ、人を殺した手は、次の朝、食卓で妻や子どもたちのために、祈りのあと、パンを裂く。いつでも、悪魔に都合のよい時間が、訪れる。

奴隷にされた者。奴隷になった者。奴隷の奴隷になった者。そして、奴隷に生まれた者。人間は、主への、信仰によって、この世に住むことを許されたのでは、なかったのか?心を込めて、主を思いつづけた。辛抱は、報われるから。

愛のもっとも気高いかたちである、赦し。身に覚えのある、暗闇。そして、人ならば、こみあげる、愛の想いに、涙の海にも浸かってしまうこともあるだろう。目の光は、虹となる。

闘うということ。洗い場の女が、酔って騒ぐ、男たちに、棒で殴られる。すぐさま「殺しあうなら、裏のお庭で、やってちょうだい!ここは、洗ったばかりなんだ!」と女将の怒鳴り声がぴしゃり。


神さまの絵の具箱” への1件のフィードバック

  1. 生きること。
    与えられた日々を精一杯生きること。
    しかし生きていくことで
    他の命を貪り 虐げ 無理を通すという
    互いの背反論理が生じます。
    極端に言えば弱肉強食。

    わたしは
    生きるこ自体はは罪ではない。
    と思います。

    生きることの意味を理解し
    相互の繋がりを意識し
    反省し、感謝し、相手を思いやる。
    仏教で言うと慈悲のこころとでも言うのでしょうか❔

    それができないことが罪だと思います。

    人は生まれながらに罪を背負っている。
    だからこそ。
    謙虚なこころ、反省、他人にこころを寄せて愛する。
    ことが大事だなぁ~
    と読ませていただいて感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

nineteen − seven =