神さまの絵の具箱 4


末森英機(ミュージシャン)

「神は愛である」(ヨハネ4:8)そして「焼き尽くす火である」(ヘブライ12:29)と、じぶんの運命をみずからの血をひたしたペンで書けるものは幸い。それは、神の怒りが憐れみであることを知っているから。ミサの意味が「憐れみ」のひと言であることを忘れないでいるから。そしてミサは、どんなひとの罪状も告発しない。木を運んで石だらけの丘をのぼる貧しい者に、耳を貸してくれる。司祭の魂。この祈りと次の祈りのあいだの祈りの火花。歩み。醜く美しく。エリアの霊が、わたしの台所に入ってくる。すぐにわたしのからだは、荒野の神殿に変わる。善きおとずれの家になる。キリスト・イエスが来られるのは、おん父を知らせるため。それは、愛するお別れのよう。たとえば、サヨナラを言うと、子守唄を歌ってくれるような。でも、世間から唾(つばき)を吐きかけられる。イエスさまは、十字架にかけられている3日間のあいだに、たった七語しかお話しにならず、マリアさまは一語きりでした。一致の宝。預言と砂漠。針付けにされたままとどまること。ささげ、ささげられ、与え、与えられ、奪い、奪われる。「つらいことと、云ってはいけないわ。すばらしいことよ」


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