沖縄の「今」――基地問題の最前線

緒方真理子(聖パウロ女子修道会)

沖縄県で最初に建立された慰霊碑「魂魄の塔」

6月23日沖縄慰霊の日。県人口の4分の1の人びとが犠牲になった沖縄戦が終結したこの日、沖縄県民こぞって慰霊と平和を祈念する。毎年、全戦没者追悼式が最後の激戦地、摩文仁(まぶに)にある平和祈念公園で行われ、正午に慰霊と平和を願って黙祷し、知事が平和宣言を読む。73年目の今年は、14歳の相良倫子さんが書いた、心に深く響く「私は生きている」で始まる「平和の詩」が朗読された。「ひめゆりの塔」近くの、沖縄県で最初に建立された慰霊碑「魂魄の塔」には、早朝那覇市内を徒歩で出発するカトリックの巡礼団を始め多くの市民の方々が集まり、それぞれの宗旨に従って順に祈りが捧げられる。

この2週間前の11日朝、那覇市沖80キロの海上に、飛行訓練中だった嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落した。沖縄県は安全確認が取れるまでの飛行停止を求め、地元は原因究明も求めていたが、それを明らかにしないまま、安全性に問題がないとして事故2日後の13日早朝から、米軍はF15だけでなくF22ステルス戦闘機の訓練を、轟音をたてて開始した。さらにその翌14日、航空自衛隊のF15戦闘機が2機、那覇空港の管制官の指示に従わずに滑走路に進入。すでに着陸態勢に入っていた民間機は着陸を回避することで難を逃れている。

「命どぅ宝」とは、沖縄語で「命こそ宝」という意味

昨年12月には相次いで普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターからの落下物や窓枠が、小学校や保育園に落下。昨年1年米軍機の緊急着陸や不時着炎上などの事故もたびたび起きている。しかし訓練飛行は今も学校上空を回避することなく行われ、園児や児童の教育現場が脅かされている。

私が最後に沖縄を訪問したのは昨年2月。まだ辺野古新基地建設反対への暴力的排除が始まる前で、ゲート前の座り込みも、機材や土砂搬入に対しての体をはった非暴力の阻止行動ではなかった。駐機していたオスプレイの飛行震動も体感はしていない。先日出会った沖縄の方は、「オスプレイの訓練飛行は低空で、体の芯に、ズンズンズンと重く耐えがたい震動を与えます」と語られた。それが深夜まで及ぶ。今、沖縄県以外にも米軍のオスプレイが配備されつつあるが、配備反対に留まらず、日本全体から戦争の道具であり、危険きわまりないオスプレイを排除しなくては。しかし自衛隊もオスプレイ配備を予定しており、足下から平和構築の道が崩れていく思いだが、鎮魂と、今もいのちを尊び平和を願う辺野古新基地建設に非暴力で抗している方々との連帯を思い、黙祷した。

米軍の辺野古新基地建設費用は6000億円。その全額を日本が負担する。辺野古の埋め立て予定地には、絶滅危惧種(レッドリスト)に掲載されているサンゴ群体が発見されている。だが7月に大量の土砂を投入するため、6月27日28日と400台を超えるトラックが土砂を搬入。反対して座り込んでいた男性、女性が逮捕され、去る4月の座り込みでは80歳近い知り合いの元市議ともう一人の女性2人が機動隊の暴力で鎖骨や肋骨などを骨折する大けがを負っている。

2018年8月11日(土)11時~12時、3万人越えの集会「土砂投入許すな県民大会」(仮称)が、那覇市奥武山陸上競技場(ゆいレール「壺川」下車)で予定され、本土からの多数の参加が期待されている。

(写真提供:筆者)