余白のパンセ 14 「ディアスポラ」と旅

私が本郷にあるマルジュ社で本の編集をしていたとき、草森紳一さんの本を出したくなり、草森さんに会いに行きました。 草森さんは、『マンガ考:僕たち自身の中の間抜けの探究』(コダマプレス)や『ナンセンスの練習』(晶文社)、そし Continue reading


余白のパンセ 13 少年はなにを見ているのか……

2013年11月4日17時36分、現在。 いま私は新宿区の戸山アパートの一室でこの原稿を書いています。 この「いま」という時に、まさに同時代にウクライナとロシアの戦争があり、パレスチナとイスラエルの戦争が起こっています。 Continue reading


伊東英朗『X年後』『X年後2』――映画より事件に興味を持ってもらいたい

闇に葬られたビキニ水爆実験の真相に迫る『放射能を浴びたX年後』から3年。高知県室戸市を中心に、各地で継続取材が行われ『X年後2』が生まれた。『X年後』『X年後2』に懸ける思いとはなにか。日本テレビのなかにある南海放送で伊 Continue reading


吉野源三郎さんと「平和問題談話会」のこと(前編)

鵜飼清(評論家) 敗戦直後に「平和問題談話会」が作られた あの時代、つまり先の戦争の時代、第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争、大東亜戦争……のころはどんな空気が流れていたのだろうか。1941年12月8日の日本軍による真珠 Continue reading


吉野源三郎さんと「平和問題談話会」のこと(後編)

鵜飼清(評論家) (前編はこちらです)   安倍能成さんの「平和」への希求 ユネスコの「平和のために社会科学者はかく訴える」という声明を読んで、「平和問題談話会」がつくられるとき、安倍能成さんを中心にして組織さ Continue reading


遠藤周作とぼくの、魂の“深い河”

鵜飼清(評論家) ぼくが遠藤周作さんを特に意識し始めたのは、岳父の上総英郎(文芸評論家)に拠るところが大きい。上総本人から遠藤周作についての話を聞いたりしたことはあまりないのだが、遠藤作品の評論などを読むうちに遠藤周作に Continue reading


余白のパンセ 12 隣のおばあちゃん

わたしが生まれたのは、東京都新宿区西大久保の都営住宅でした。お産婆さんにお世話になったのよと、母から聞きました。昭和26年(1951年)のことです。 木造の住宅で、二軒続きでした。玄関同士で向かいの家に住んでいたのが、隣 Continue reading


対談 映画『桜色の風が咲く』 松本准平監督に聞く

鵜飼清(AMOR編集部) ●プロローグ 松本監督とお話する場所を高田馬場にさせていただいたのには、ちょっと理由があります。高田馬場というところには、ヘレン・ケラーと縁があります。大久保に日本ヘレン・ケラー協会があり、JR Continue reading