第7章 喜び Gladness


本連載は、イエズス会のグレゴリー・ボイル(Gregory Boyle)神父(1954年生まれ)が、1988年にロサンゼルスにて創設し、現在も活動中のストリートギャング出身の若者向け更生・リハビリ支援団体「ホームボーイ産業」(Homeboy Industries)(ホームページ:https://homeboyindustries.org/)での体験談を記した本の一部翻訳です。「背負う過去や傷に関係なく、人はありのままで愛されている」というメッセージがインスピレーションの源となれば幸いです。

 

ギャング出身*の親しい仲間たちにささげる(*訳注:「ギャング」とは、低所得者向け公営住宅地等を拠点に、市街地の路上等で活動する集団であるストリートギャングを指します。黒人や移民のラテン・アメリカ系が主な構成員です。)

 

グレゴリー・ボイルGregory Boyle(イエズス会神父)

訳者 anita

 

 ある講演の旅から戻ってくると、マルコスが受付近くに座っています。受付係のガスが、「マルコスは3日くらいあんたの帰りを待ってたぜ」と教えてくれます。マルコスは私にあいさつし、私に伝えたいことがあってうずうずしています。「あんたの留守中にな、オレの息子が生まれたんだ」

 

 「それはおめでとう、息子よ。で、いつ生まれたんだい?」

 

 「誕生日にさ!」(それはすごいね、それが起こる確率はどれくらいだろう!)

 

 私の目の前にいる人の中に、神は、そこに、今日、喜びにあふれておられ、ここが楽園なのです。今日、私たちは、キリストのうちに、目の前のものを喜ぶのです。カナダ出身のロナルド・ローハイザー神父は、「うつ病の反対は、幸福ではなく、喜びです」と書いています。なんせ私たちは、私たちの存在を喜ぶ聖霊を呼吸するからです。私たちのがらくたの内面をどうにか辛抱してくれる聖霊を吸い込むのではありません。喜びこそすべてなのです。

TATTOOS ON THE HEART by Gregory Boyle

Copyright © 2010 by Gregory Boyle

Permission from McCormick Literary arranged through The English Agency (Japan) Ltd.

本翻訳は、著者の許可を得て公開するものですが、暫定版です。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

15 − eight =