閑話休題(床山語録)その1 


大手電気会社の代理店に勤める床山さん。今日も元気に「よっ。いい天気だねぇ」と会社に現れました。床山さんは、わたしの直属の上司。勤続うん十年のばりばりの営業マンでそろそろ定年を迎える年頃です。長年の人付き合いの経験からでしょうか。その人間味溢れる情の厚い人柄はすごくお客さまに愛されています。ただほんの少しおかしな点がありますが、みなさんお許しくださいね。

床山さんとわたしは、会社での片付けが終わると2人で電車に乗って、毎日製鉄会社の構内を車で回りながら御用聞きをするのが日課です。床山さんが営業でわたしが営業技術。 わたしがお客様のニーズにあう提案をして床山さんが営業活動をするという2人三脚のペアで、製鉄会社の構内を走り回ります。

今日も朝の片づけが終わり「そろそろ行きませんか…」と、わたしは向いの机に座っている床山さんに声をかけました。

「ちょっと待って~。これかたしてから」と床山さん。
(“かたしてから”は“かたづけてから”の床山語)

しばらくすると、どこかで携帯電話の着信音が聞こえてきました。静かなオフィスに「たらららら~」と聞こえてきます。その音に気付いた床山さん。

窓のそばに座っている自分より若い部長に「携帯鳴ってるよ~」と響く声をかけました。でもまだ携帯電話が鳴り続けています。床山さんは「取ったら~」と大きな声で部長を促しました。

床山さんの声に部長が自分の携帯を見ると鳴っていません。

「あれっ、どこで鳴ってるんだぁ」と部長が皆に声をかけると、皆が「どこだぁ~」とあたりを見回しました。

「あっここだぁ」と誰かが言うので振り向くと鳴っていたのは床山さんのかばんの中でした。

「なんだぁ。 俺のかばんかぁ」と床山さん。

笑いながら周りを見回し一言。
「現場にいってきまーす!!」

ユニークな床山さんですが…いろいろ教えていただきました。
「どんな難題をぶつけてくるお客さんにも笑顔」「笑顔は敵じゃありませんよの印」と歯の欠けた顔で笑顔での話でした。

(あき:カトリック横浜教区信徒)


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