神さまの絵の具箱 3


末森英機(ミュージシャン)

「ひとがその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」(ヨハネ15:13)

あなたは、わたしのように死なないでほしい。胸を引き裂かれ、ここちよい眠りから、弾き出されるように。日々の呪いの重さ、迷信の深さ、苦しみと悲しみの熱さに。たわめられるだけ、たわめられて、憎しみや恨みがその身をたわめるだけ、たわめても。ならばよけいに、こうしよう。いっしょに死刑になろう。どうか静かになるように。どうして、あなたが死ぬことがあろう? 無宿放題の荒くれ、明けくれに、道すがら待ち伏せする拍車のかかった迫害者、略奪者に叫ぶんだ! 裸の剥き出しの弱さこそが、友を守ることを! そこに懸けられている友に、見合うだけの答えのあることを。友よ、わたしの番がきた。死ぬときに、声のように唇のように、見よ! Je t’adore.(きみが、大好き) Je vous adore.(あなたは、すばらしい)。みずからを開き、みずからを反芻(はんすう)する。「わたしのもっとも内なるところよりも、さらに内なるところで」アウグスティヌスのおっしゃるとおりのところで、友のために。恐れないのは、強いからではない、弱いからだ、と。それも友に教わったこと。

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