グレッチオのクリスマス


小平正寿

いまでは当たり前になったクリスマスの馬小屋のセット。クリスマスに向けて少しずつ作っていく楽しみがありますね。イエス様が誕生なさった時のように再現しようと思い、歴史上初めてこれを実行したお方を知っていますか?

グレッチオの修道院の壁画。当時の様子が描かれています。

グレッチオの修道院の壁画。当時の様子が描かれています。

その人はアッシジの聖フランシスコです。フランシスコは次のように言っています。「主キリストが私たちのためにお生まれになったこと、これ以上のよろこびはありません」。ローマの北、およそ100キロ離れたところにグレッチオという名の山がありました。たいへん信仰の厚い方がフランシスコのために下さった山です。フランシスコは仲間とともにそこに修道院を建てました。

その頃、フランシスコには人々の心がイエス様から離れて行っているのではないかという心配がありました。「そうだ!! グレッチオでクリスマスを祝おう。お生まれになった様子を再現しよう」。こうと思ったらすぐ実行するのがフランシスコでした。

さっそく、本物の馬やろばやひつじたちを集めてきまし

グレッチオの修道院

グレッチオの修道院

た。次に、村の人たちに呼び掛けて説明しました。いよいよクリスマスの夜がやってきました。馬屋の中にはヨゼフの役とマリアの役を任せられた人がまぐさ桶の中で眠る幼子イエスに手を合わせています。手に手に松明をもった村人たちも集まってきました。

フランシスコはみなに説教を始めました。この夜がどんなに喜ばしいか、幼子を下さるほどに神様がどんなに私たちを愛してくださっているか。いつしかフランシスコの目には涙が浮かんでいました。寒空に貧しい馬屋でお生まれになった神の子、全人類の王となられる方のへりくだりに感動していたのです。フランシスコは、まぐさ桶に安らかに眠るイエス様のお人形の方に手を差し伸べました。すると何ということでしょう。木で作られていた赤ちゃんのイエス様が微笑みながら手をフランシスコの方に向けたのです。村人たちはこの光景を見て冷え切っていた信仰がよみがえるのを覚えたのです。フランシスコが始め

2003年のクリスマスの夜グレッチオの修道院の上空に彗星が現れました。(写真提供:グレッチオのフランシスコ会)

2003年のクリスマスの夜グレッチオの修道院の上空に彗星が現れました。(写真提供:グレッチオのフランシスコ会)

てくださったクリスマスの祝い方は今、全世界に広がっています。

 

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